
こんにちは。最近はamazon primeやhuluで映画を観ることが育児の息抜きとなっているゆたろうです!
今回は日本俳優界のオールスターキャストが送る傑作「怒り」を観ました。
交差しない3つの物語を通して人間の愚かさ、信頼とはなんぞや?、
誰にも当たることのできないもどかしい怒りを如実に表した作品だと思いました。
簡単なあらすじ
八王子で夫婦が殺害される事件が発生してから1年以上。未だ犯人は捕まっていない。
全国に指名手配され、犯人の顔が公開される。既に犯人は整形していると思われるが
その犯人の顔にやや似ている身元不詳な3人(綾野剛、森山未來、松山ケンイチ)の身の回りで起こる人間像の物語。
あなたはもし、身近な人が犯人に似ていたとしても信頼できますか?
一体犯人は誰なのか?この中に存在するのであろうか。
個人的みどころ
一通り観ましたが、豪華キャスト過ぎでした!しかも皆演技がうまかった。
広瀬すずちゃんも出演していましたが、最初はこの子の演技大丈夫なのかソワソワしましたが、
めっちゃ役にハマっていました!劇中に酷いシーンがあるのですが、よく頑張りました!と言ってあげたいです。
そして、綾野剛さんと妻夫木聡さんの絡みシーンは悶絶モノです。
渡辺謙さんは田舎の妻を亡くした漁師役なのですがしっかり田舎感漂う演技をされていてさすがだなぁと思いました。
ここからネタバレ感想
日雇い労働で、日々の生活に困窮する中
派遣先の伝達ミスで汗をかきながら道に迷う山神。
自分にとって一大事なのに笑って済まされる、上手くいかない人生、この怒りはどこにぶつければいいのか?
既に人生に疲弊していた山神に
幸せそうな家庭の奥さんからの一杯の麦茶の施しによって奥さんを殺害してしまい、「怒」(人生全てに対して書いたのだと思います。)と言う文字を血で殴り書きするのですが、そこだけの怒りに注目するのではなく、様々な人間の怒りが凝縮されている映画だと思いました。
娘の幸せを思うあまり、娘を信頼していなかった槙洋平(渡辺謙)。田舎町からの下世話な噂話をされ、それに耐え続けていたのも相当行き場のない怒りを抱えていたと思います。
少し抜けている娘の愛子に対しても怒ることはできない。その葛藤を演じている渡辺謙さん、渋くてかっこよかった!
そして、大西直人(綾野剛)を信頼できなかったゲイの藤田優馬(妻夫木聡)ももう取り返しのつかない事実に対して相当怒りを覚えていましたね。
小説では山神がサイコパスと描かれているとどっかの記述で観ましたが、映画はそうじゃないと思います。
だって、那覇で泉(広瀬すず)と偶然出会った時、めちゃくちゃビビってたじゃないですか。
泉がレイプされた時も警察呼んだのは田中=山神(森山未來)だと勝手に思っています。
もし、歩んできた人生が今と違っていたら山神も殺人を犯さなかったと思うし、殴り書きした「怒」の文字はどうしようもない自分に対しての怒りも込められていると思いました。
最後に山神が逆立ちして鋏で辰也に殺されたのも本望だと思ってそう。
これで、泉と達也の行き場ない怒りが消えると思って矛先を自分に向けたとしか思いません。
民宿で暴れたのもいろんな感情(仲の良い辰也や泉の事、殺人を起こした自分の事、今後の人生についてetc)が重なって暴れたのではないのでしょうか。
全体的に観ると寂しい終わり方でしたが、唯一の救いだったのが田代が(松山ケンイチさん)がまた、愛子(宮崎あおいちゃん)の元に帰ってきたことかなぁ。
エンドロールの坂本龍一さんの曲も素敵でした〜。
交わることのない物語を一つの映画にしたことで飽きずに最後まで楽しめました!